【走幅跳】初回指導時に伝える”助走スピードの大切さ”

陸上競技





【はじめに】
先日お伝えした青森市の陸上クラブですが、6月3日から活動を開始します。
興味のある方は、下記のリンクをご覧いただき、私までメッセージをください。







こんばんは、新盛です。



緊急事態宣言が解除され、先週から走幅跳の指導を再開しました。



早速、弘前の陸上クラブ“石澤陸上塾”様より依頼がありまして、平川市の陸上競技場まで行ってきました。




初めて指導をする選手だったので、こちらも少し緊張気味です。







初回の指導だったので跳躍練習は行わずに、ウォーミングアップの流れや走幅跳のいわゆる”ドリル”を重点的に指導しました。




昨年から何名か指導を行っていますが、初回指導で必ず選手に伝えることがあります。




それは、




助走スピードは大事だよ!!






ということです。





走幅跳に取り組んでいる人であれば、「当たり前じゃん!!」と考える方が多いとは思いますが、意外とコレを頭に入れた上で練習することは大切です。





今回は、この助走スピードの大切さについて、普段どのように説明しているかをお話しします。




1.分かりやすいイメージを伝える





選手に助走スピードの大切さを伝える上で、毎回このような例え話を用います。




例えばココに崖があるとするじゃん?60km/hの車と30km/hの車(同じ重さ)が突っ込んできて、その崖の上から落ちたとすると、どっちが遠くに跳ぶと思う?




と学生に質問すると、全員が「60km/hの車!!」と答えます。




「いや、当たり前やん?」と思う人が大半だとは思いますが、何となくのイメージとして、スピードが速いほうが遠くに跳ぶよということを伝えるために、この例え話を用いています。




いやいや待てよ。。
確かに車だとスピードが速い方が跳ぶかもしれないけど、走幅跳はそうじゃないんじゃないか?




そう思う方もいるかもしれません。



2.助走スピードのデータを示す






そこで説得力の材料となるのが、数値化された助走スピードのデータです。




イメージの段階では、“助走スピードは大切”ですが、実際のデータを見ることで、“やっぱり助走スピードは大切”に変わります。





ここで、1つの図をお見せします。



図 助走最高スピードと跳躍距離の関係

引用:競技レベル別に見た走幅跳の助走スピードの定量化(小山ほか,2011)

http://urx.space/zVp4





国内主要大会(大会名は不明)に参加した、男子走幅跳選手のべ 429 名、女子走幅跳選手のべ 536 名の、助走中の最高スピード(縦軸)と、跳躍距離(横軸)のデータとなります。



1人2人のデータではなく、男女でのべ965人のデータなので、信頼性は高いと考えています。




【図の見方】



①左側の3本の線は女子選手、右側の3本の線は男子選手のデータを示しています。



②各選手の跳躍記録を20cmごと(例えば、5m41~5m60、5m61~5m80のように)に群を分け、●と○でプロットしています。



③真ん中の線の●はその群の助走最高スピードの平均を、上の線の○はその群の中で助走最高スピードが一番速かった選手を、下の線の○はその群の中で助走最高スピードが一番遅かった選手を示しています。





【この図から言えること】

①最高スピードが高い人は、跳躍距離が長い傾向にある②最高スピードが高い割に、跳躍距離が短い人もいる③最高スピードが低い割に、跳躍距離が長い人もいる




ことが言えるのではないでしょうか。




一概に「助走スピードのみが大切!!」とは言い切れませんが、「助走スピードの限界が記録の停滞を引き起こす」という可能性はあります。




したがって、走幅跳の記録を伸ばす上で、または停滞を打破する上で、空中動作や踏切動作のみならず、助走スピードに目を向けるのも一つの手段かもしれません。





まとめ




といった具合で、初回指導時には助走スピードの大切さをお伝えします。



もちろん、他にも伝えることはたくさんありあますが、助走スピードを例にとってブログにまとめました。





個人的には
①ザックリ分かりやすく説明
②データを示して説明




の2段階を踏むと、より大切さが伝わるのでは?と考えたので、これからも実践と改善を重ねます。




あとがき




ここ最近、ずっと画面越しでの指導が続いていたので、直接指導できることに喜びを感じています。




このまま収束(終息)しますよう。。


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