【努力は裏切るのか?】インターハイに行けなくて涙した10年前の自分へ

自分自身

「インターハイに出場する!!」ということを目標にして練習してきた皆さん、その目標を立てたのはいつ頃でしょうか?


中学3年から、高校に入ってからなど様々な時期あると思いますが、私の場合、覚悟を持って決めたのは高校2年生の東北高校総体終了後でした。

正直、それまでは自分の記録に自信が持てず、「インターハイに行く!」などという大それたことを目標にするのは非常に恐れ多かったのです。



しかし、高校2年の春先に初めて6m70〜80台を跳べるようになり、ちゃっかり県総体では1位になりました。

このまま勢いに乗って高2でインターハイ決めちゃえーと軽く思っていましたが、そう上手くはいかないもので、、


人生で初めての個人での東北大会の舞台だったので、緊張でガッチガチに。

周りの人が全員強く見える現象が起こり、完全に雰囲気に飲まれました。

6m57cmで27位と、インターハイの足元にも及ばない結果でした。

県以上のレベルの高さを目の当たりにすると同時に自分自身の情けなさを実感し、その時に初めて「来年は絶対にインターハイ決める!!」という目標ができました。



私には走幅跳の指導者がいなかったので、合宿でコーチの方々から学んだことや、当時のガラケーで調べたごく僅かな情報を元に練習していました。

特に、合宿では現在T高校のI先生に大変お世話になりました。
I先生から教わったドリルは、何度反復練習したか分かりません。



当時は今の陸上競技場がなかったため、冬の間の技術練習は体育館のギャラリーでロイター板とマットを使用。

同期や後輩たちと自分のフォームのビデオを撮り合いながら、
「ここをもっとこうした方がいいんじゃないか?」
「このドリルを取り入れたらいいのでは?」
「最近の恋愛どうよ?」

などと話し合っていた記憶があります。

そんなこんなで冬季練習は割と上手くいったと思った矢先、アクシデントが、、



3月15日、部活後のバスケで右足首を捻り、靭帯を損傷。
そう、陸上ではなく”バスケ“で。
(幸い踏切足ではなかった)

“マジでアホすぎる自分”と思いながら整形外科に行き、「きちんと走れるまで2ヶ月だね」と言われ、超絶ブルーな気分に。



もちろんシーズンインの北日本と県春季は棄権。
自重トレーニングの毎日が続き、5月に入りようやく流し程度まで走れるようになりました。

技術練習もままならず、足首に補装具を着けて県総体本番、

予選→6m68
決勝→7m10(初めての7m越え)

と、何やら奇跡が起こったのです(笑)


諦めずにここまでやってきてよかった、そう思えた大会でした。
※ちなみに、1位のKT選手が大会新記録を出して私は2位でした


7mも跳んだし、こりゃーインハイは行けるぜ!!
と自信を持って3週間後に臨んだ最後の東北大会。


が、結果は不発でインターハイに行けず。
6m75で12位でした。

テントに戻ってからは号泣。

今まで頑張ってきたのは何だったんだ?
このために1年間頑張ってきたのになぁ、、
結局、努力は裏切るのか!!



おそらく、今までの人生で3番目くらいに泣いたと思います。
とまぁここまではただの私の経験談です。

大事なのはここから。
インターハイに行けず「努力は裏切る」という結論に至った過去の私に対し、言いたいことを5つ書きます。


ちょっと厳しめのこと3つ、優しめのこと2つ。

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①努力の方向性は正しかったか?


目標を達成するためには、“なるべく正しい方向性を持った努力”が必要であると感じています。
例えば、めちゃくちゃキツい練習を行うと、「努力したぜ!!」と思うかもしれません。



しかし、そのキツい練習が記録向上どころか、マイナスになっている可能性もあります。極端な例ですが、栄養や休養を全く考えず、ただただ毎日追い込んで走り込むようなもの。

スポーツにはその競技に特化した体力の要素や技術があります。



メニューを作成する際は、
「この練習は何のために行うのか?」
「自身の目標を達成するためにこの手段でいいのか?」
「なぜこの時期に行う必要があるのか?」
「大会に向けてどのようにピークを合わせるか?」

等を考えなければいけません。

「キツい」だけでなく、それらも考えて実行した上で「努力した」と言えるのではないかと考えています。



当時の私は、その中でも時期による練習強度の変化やピーキングが甘かったと考えています。

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②努力の期間は見合っていたか?


私がインターハイ出場を目標に掲げたのは高校2年生の春です。
そこから気持ちを新たに、1年間必死に頑張りました。


1年間です。1年間”も”なのか、1年間”しか”なのか、捉え方は人によって異なると思います。



が、様々な選手に目を向けてみると、中学生の頃からインターハイ出場を目標に掲げている人もいるのです。
難易度の高い目標を達成しようと思えば、それだけ長い期間の努力が必要だと感じています。


※たまに「野球部だったけど大会で走ったら全中行けた」のような人はいますが、かなり稀な例だと思います。

周りの人よりも不器用であった自分は、もっと長い期間の努力が必要だったのだろう。
最近はそのように感じています。

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③そもそも本気度はあったか?


正直に言いますとですね、、笑
今のUACAの選手に比べれば、自分自身は全然目標達成に対する本気度や覚悟がなかったなと思います。


実際に全中やインターハイに出場している指導をしていて「こういう選手が全国レベルの大会に行くのか!」という気付きがあります。


例えば、3年前に「全中に行きたい!」と指導を受けてくれて、見事全中を決めたJくん。
指導を始めた当時、「自分がイメージする跳躍のフォームを絵に書いてごらん。絵が苦手であれば棒人間でもいいので」という宿題を出しました。


1週間後の指導時に「どう?宿題ちゃんとやった?」と聞いたところ「毎日1回必ず書いてます」という返答が。


私であれば1回書いて終了なので驚きました(笑)
指導したことを、指導したこと以上にやってくれる。
目標に対する本気度や覚悟を、何も言わずとも行動で示してくれました。


自身より更に上の結果を残す人の本気度は自分の比じゃないな、自分はまだまだ甘かったんだなと、この時思いました。


一度、自分が目標としている舞台に立っている選手はどんなことを考えながら練習しているのか、お話を聞くだけでもだいぶ勉強になると思います。

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④もう一段階高い目標を設定してみたら?


私は目標設定をする時、失敗した時のための保険をかけてしまう癖があります。
これがいけなかった。攻めの姿勢がなかった。


現実的で手の届きそうな目標を設定し、それに見合った努力をしてきました。
個人的には、自分自身の行動力を高めるために、もう一歩大きく目標を設定してもいいのではないかと考えています。


例えば、「インターハイ出場」を目標ではなく、「インターハイ入賞」を目標にするなど。
前者は「インターハイに行けるかどうか分からない」、後者は「東北大会はあくまで通過点」。



したがって、インターハイに出場したければ、インターハイ入賞を目標に掲げて行動すると、必然的にインターハイに出場することになるのです。


あまりにも高い目標すぎると挫折してしまうかもしれませんが、掲げた目標に対して責任を持った行動に移すためには、自分が思っているよりも一つ上の目標を掲げるのもいいのではないかと思います。


※これは仕事にも活かせる

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⑤もしもインターハイに行けていたら


最後に、ちょっと変わり種です。
もしかしたら、私はインターハイに行っていたら、目標を達成したことに満足して陸上競技を辞めていたかもしれません。


(新盛に限ってそんなことはないという声が聞こえてきます)


タイムマシンがないので明確には言い切れませんが、、
あの時本気で悔しいという思いがあったからこそ、大学でも社会人でも陸上競技を続けています。


個人的な肌感ですが、社会人で陸上競技を続けている皆さんは陸上競技に何かしら未練のある方が多いような気がします(笑)



インターハイに行けていた世界線の自分はどうなっていたのでしょうか?
それは分かりませんが、「本気で悔しい思いをした」という経験が、何となく今の自分を奮い立たせているような気がします。

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オマケ:国体予選なぜ出なかった?


あくまで”インターハイ”を目標としていた私は、東北大会で完全に燃え尽きました。
気持ちを保つのがその時点で限界でした。


ですが、今思えばしっかり国体予選に出場し、国体を狙えばよかったなと後悔しています。
県大会や東北大会で悔しい思いをした選手の皆さん、あとちょっとだけ頑張ってみませんか?


陰ながら応援しています。


※ちなみに国体予選ではなく文化祭のカラオケに出場し、そちらは決勝まで残りました。
国体予選の現場では「あれ、新盛がいねぇ??」となっていなそうです(笑)

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あとがき


スポーツは一生楽しむことのできるものです。
マスターズの大会では、100歳を越えたおじいちゃんが100mを走っている場面も見受けられます。


何となく悔しいなと思っている選手は、大人になってからも競技を続けてみませんか?
時間の制約がある中で、どこまで記録が出るのか、また、”なるべく正しい方向性の努力”を自分で勉強して、試して、大会に出場する過程は本当に楽しいです。


何歳になっても新たな気付きがあります。


最後に指導のお話しになりますが、現時点で考え得るなるべく正しい方向性の努力(できれば目標まで最短距離の努力)で選手を目標達成に導くのがコーチの役割の1つだと考えています。


(自分で考えて遠回りするのも意外と楽しかったりする。でも目標達成までの時間は限られているので、なるべく目標まで最短距離を通す必要がある、と考えています。)


自ら試したことを指導している選手に還元できるよう頑張りますので、これからもどうぞよろしくお願い致します。

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